BreakingDown21は、フライ級王者・龍志の初防衛、そしてバンタム級王者決定トーナメントの異例の結末によって、勢力図が大きく動いた大会となった。
フライ級では龍志が6連勝中のドラゴンを延長判定で退け、王者としての底力を証明。一方のバンタム級は、よーでぃーの負傷棄権を受けて復活した井原良太郎が決勝を制したものの、試合後にベルトを受け取らなかった。現時点で第3代王座の扱いは流動的だ。
以下はBreakingDown21終了時点の独自最強ランキング。公式順位ではなく、王座・直近の試合内容・対戦相手の質・各ルールへの対応力を総合して評価した。
※キック、MMA、ベアナックルは競技性が異なる。本ランキングでは、ルールごとの強さも評価に反映している。
フライ級(〜56kg)最強ランキング
| 順位 | 選手 | 評価 |
|---|---|---|
| 1位 | 龍志 | ドラゴンを退け、初防衛に成功した現王者 |
| 2位 | 西島恭平 | 野田蒼を延長KO。次期挑戦者候補 |
| 3位 | ドラゴン | 王者を延長判定3-2まで追い詰めた実力者 |
| 4位 | 野田蒼 | 西島戦は敗戦も、スピードと攻撃力は上位級 |
| 5位 | KINGカズ | 上位陣と競れる地力を持つ |
龍志は、6連勝中だったドラゴンとのタイトル戦を延長判定3-2で制し、初防衛を果たした。本戦ではドラゴンのタックルによる反則で試合が一時中断するアクシデントもあったが、再開後も折れなかった。
延長ではドラゴンの打撃で流血しながら、龍志がハイキックと強打で盛り返した。僅差の勝負をものにした内容は、KO勝ちとは別の意味で王者の価値を高めている。
西島恭平は野田蒼を延長戦の回し蹴りでKOし、タイトル挑戦をアピールした。野田に左フックでダウンを奪われた直後、起死回生の一撃でひっくり返した勝負強さは見逃せない。
ドラゴンは初黒星となったが、龍志を最も苦しめた挑戦者の一人となった。フライ級は龍志を中心に、西島、ドラゴン、野田が絡む混戦へ入っている。
バンタム級(〜61kg)最強ランキング
| 順位 | 選手 | 評価 |
|---|---|---|
| 1位 | 井原良太郎 | トーナメント決勝を制した初代王者 |
| 2位 | リキ | 決勝で井原と延長戦を戦い抜いた |
| 3位 | よーでぃー | 井原撃破の実績。ただし負傷棄権 |
| 4位 | 今村流星 | 大野篤貴を破った新世代の有力株 |
| 5位 | 三河拳士 | トーナメントで敗退も技術力は高い |
| 6位 | 平野翔空 | 短時間KOで存在感を増す上昇株 |
バンタム級王者決定トーナメントは、最も予想外の形で終わった。1回戦で井原良太郎を破ったよーでぃーが足の骨折で決勝を棄権し、敗者だった井原が救済されてリキとの決勝へ進出した。
決勝は本戦ドローから延長戦へ。リキが手数と前進で圧力をかける一方、井原は下がりながらカウンターを合わせ、判定4-1で勝利した。
ただし井原は試合後、ベルトの着用を固辞した。「今日一番だったやつが巻けるベルト」として返還する意向を示し、よーでぃー、リキも交えた再トーナメントを望んだ。井原は決勝勝者として首位評価とするが、王座の序列が完全に決着したわけではない。
よーでぃーは井原に勝利した事実を軽く扱えない。負傷で決勝を戦えなかったため首位からは外れるものの、再戦または再トーナメントが組まれれば中心人物になる。
フェザー級(〜66kg)最強ランキング
| 順位 | 選手 | 評価 |
|---|---|---|
| 1位 | YURA | 階級内での実績と打撃の完成度を評価 |
| 2位 | TETSU | BD21で36秒KO。プロ仕込みの打撃力 |
| 3位 | 森 | シェンロンとのベアナックル戦を制覇 |
| 4位 | 井原良太郎 | 階級をまたぐ実績を持つ |
| 5位 | よーでぃー | キック・MMAの両ルールで結果を残す |
森はシェンロンとの因縁のベアナックルボクシングで、延長判定5-0勝ちを収めた。ベアナックルとは、原則として素手で打ち合う過酷な打撃ルールのこと。通常のキックルールとは単純比較できないが、森の耐久力と精神力は高く評価できる。
本戦はジャッジ全員がドロー。延長では森が圧力をかけてシェンロンをケージ際へ追い込み、血まみれの打ち合いを制した。
階級の中心は依然としてYURAだが、TETSUの台頭は明確だ。TAKUMIを36秒で仕留めた打撃の精度は、タイトル戦線に加わるだけの説得力を持つ。
ライト級(〜71kg)最強ランキング
| 順位 | 選手 | 評価 |
|---|---|---|
| 1位 | 宇佐美正パトリック | 細川一颯に2勝した対戦実績を評価 |
| 2位 | 細川一颯 | BreakingDownライト級王者 |
| 3位 | 佐々木大 | 黒柳禅にMMA判定5-0勝ち、BD2連勝 |
| 4位 | 金剛駿 | KK我流を8秒KOした破壊力 |
| 5位 | 黒柳禅 | 敗戦もMMA対応力を見せたストライカー |
ライト級MMA戦では、佐々木大が黒柳禅を判定5-0で下した。黒柳のパンチに対し、低い姿勢から組みつき、寝技へ移行する展開を繰り返して主導権を握った。
佐々木は1ラウンドでアンクルホールドを2度狙うなど、サブミッションでも攻めた。アンクルホールドは足首を極める関節技で、逃げ遅れれば棄権やレフェリーストップにつながる危険な技だ。
黒柳は敗れたものの、足関節技をしのぎ、3ラウンドを戦い切った。ボクシングを軸とする選手としてはMMAへの順応を示しており、再評価の余地がある。
細川一颯が団体内の現王者である一方、宇佐美正パトリックは直接対決で細川に2勝している。タイトル、対戦成績、ルールの違いが交差するため、ライト級は最強の定義が最も難しい階級の一つだ。
ミドル級(〜84kg)最強ランキング
| 順位 | 選手 | 評価 |
|---|---|---|
| 1位 | 溝口勇児 | ヒロ三河との無敗対決を制し、6連勝 |
| 2位 | 龍之介 | キック・MMA双方で決定力を発揮 |
| 3位 | JOY | ソルジャー沖田を相手に完勝 |
| 4位 | ヒロ三河 | 溝口戦で接戦を演じた地下格闘技の実力者 |
| 5位 | ソルジャー沖田 | 川島悠汰KOなどの実績を持つ |
| 6位 | 川島悠汰 | 一撃で流れを変えるKOファイター |
ミドル級の首位は溝口勇児。BreakingDown6戦6勝だったヒロ三河との無敗対決を、延長判定3-2で制した。
187cm・83kgの溝口は、サウスポーからのリーチを生かした蹴り、首相撲からの膝蹴りで主導権を取った。首相撲は、相手の首周りをコントロールし、膝蹴りなどにつなげる立ち技の攻防を指す。
ヒロ三河もスピードある連打で対抗し、本戦はドロー。延長でもダウンのない拮抗戦だっただけに、ヒロ三河の評価を大きく下げる内容ではない。ただ、無傷の6連勝という結果を残した溝口を、現時点のミドル級最上位に置く。
龍之介はソルジャー沖田戦の勝利に加え、MMAでもKO勝ちを記録。JOYも沖田からダウンを奪って判定完勝しており、上位グループの顔ぶれは濃い。
ウェルター級・無差別級の注目選手と勢力図
BreakingDown21では、ウェルター級と無差別級でも印象的な勝利が続いた。
| 階級 | 選手 | BreakingDown21の結果 |
|---|---|---|
| ウェルター級 | 藤井啓輔 | ジェリオサンピエールに延長判定4-1勝ち |
| ウェルター級 | ダイスケ | 竜に延長46秒KO勝ち |
| ウェルター級 | 龍之介 | 大悟に延長KO勝ち |
| 無差別級 | ズールaka殺人トトロ | 赤パンニキに判定4-1勝ち |
| 無差別級 | メカ君 | SATORUに無制限ベアナックルでTKO勝ち |
| 無差別級 | ハルク福沢 | Dozerに判定5-0勝ち |
藤井啓輔は、ジェリオサンピエールとの激しい打撃戦を延長判定4-1で制した。昨年5月のBD15.5以来となる参戦で、地元・北海道に帰還した藤井が大きな金星を挙げた。
ダイスケは、復帰戦の竜を相手にMMA延長46秒KO勝ち。柔道経験を生かした背負い投げとグラウンドへの移行で流れを作り、最後は右ストレートで試合を終わらせた。
無差別級では、ズールaka殺人トトロが赤パンニキに判定4-1で勝利。地元開催の勢いを力に変え、ラッシュで赤パンニキを押し込んだ。
メカ君はSATORUとの無制限ベアナックル戦をTKOで制した。5ラウンド開始前にSATORU陣営からタオルが投入されるまで、素手に近い状態で打ち合う消耗戦となった。
BreakingDown21後の最強ランキング総括
BreakingDown21後の各階級は、王者の強さと新勢力の急浮上が同時に進んでいる。
- フライ級: 龍志がドラゴンを退けて初防衛。西島恭平が次期挑戦者候補へ浮上
- バンタム級: 井原良太郎が決勝を制するもベルト受領を辞退。再トーナメントの可能性が残る
- フェザー級: YURA、TETSUに加え、森がベアナックルで価値ある勝利
- ライト級: 佐々木大がMMAで連勝し、上位争いへ加わった
- ミドル級: 溝口勇児がヒロ三河との無敗対決を制し、6連勝
- ウェルター級・無差別級: 藤井啓輔、ダイスケ、ズール、メカ君が強い印象を残した
最も複雑なのはバンタム級だ。井原、よーでぃー、リキの3人に、今村流星や三河拳士も続く。ベルトの行方を含め、この階級の次のカードがBreakingDown全体の勢力図を左右する。

